ネット・スマホの普及で、手軽に暇をつぶせるようになったため、小説を読む人は年々減っています。
「活字離れ」と言われることもありますが、ビジネス書や自己啓発本のような実用書は読むけど、小説は読まない、という人も多く、実際のところ進んでいるのは「小説離れ」と言えます。
ただ、普段あまり本を読まない方のなかにも、なんとなく本を読んだ方が良いとは思ってる、という方もいらっしゃるかと思います。
今回は、そんな方向けに、小説を読むメリットを紹介します!
小説を読む意味1 想像力が豊かになる

小説が、漫画などと最も大きく異なるのは、文字だけですべてが表現される、という点です。
他の媒体であれば画像や音声で細かなところを描いてくれますが、小説の場合は文字しかないため、自分で想像力を働かせ、脳内で補完しながら読み進めなければいけません。
それを繰り返していくことで、想像力を豊かにすることができます。
また、行間を読む、文脈を読む、と言われるような能力も、小説を読むことで身につけることができます。
小説を読む意味2 語彙が増える・新しい表現に出会える

言うまでもないことですが、小説家は文章を書くプロです。そして、プロが持っている語彙や表現の量は、素人とは比べものになりません。
小説を読んでいて、知らなかった言葉や、ぐっとくる表現に出会えた時の高揚は何にも代えられないものがあります。
例えば、『告白』で有名な湊かなえさんが、『少女』という作品で使った表現に、こんなものがあります。
小学校より中学校、中学校より高校、って友だち関係が広がっていくのはあたりまえのことだけど、あたしの場合、広がってるっていうよりは、薄まってるって感じがする。カルピスの量は一緒で水だけ増えていってる感じ。このままどんどん薄まって、ヘンな味の水みたいな人生を送ることになるのかな。
湊かなえ『少女』(早川書房、2009年)
とびきり斬新でカッコいい表現かと言われればそうでもないかもしれませんが、言い得て妙な、胸にストンと落ちるような言い回しですよね。
このような表現に出会うことができるのは、小説ならではです。
小説を読む意味3 非日常を疑似体験できる

2014年の研究(英語記事)で、「フィクションの記述を読むと、実際に体験した時と同じ脳の領域が活性化する」ということがわかっています。
つまり、小説を読めば、作品の内容を疑似的に体験したような脳の反応が起きる、ということです。
小説の内容は、作者によって自由自在です。
ハリー・ポッターのように魔法を使うことも、シャーロック・ホームズのように名推理で事件を解決することも、現実ではできなくても、小説を読めば感覚的には体験できます。
小説を読む意味4 映像化作品をより楽しめる

小説には、ドラマや映画として映像化されるものがたくさんあります。
ですが、小説原作の映像作品と言っても、もちろん完全に小説と同じではありません。
セリフや情景描写まで可能な限り原作を忠実に再現しようとするものもあれば、映像作品として最適なものにするために大きく変更を加えるものもあります。
ただ、原作に忠実か、それとも大きなアレンジが加わっているかは、原作と映像作品の両方を知らなければわかりません。
このような違いを知ることで、映像化作品の楽しみ方は増えます。
映画やドラマが好きで、小説原作の作品もよく観るという方には、原作の小説も併せて読むのがおすすめです。
小説を読む意味 まとめ

小説を読むメリットを4つ紹介してきました。
まとめると、
- 想像力が豊かになる
- 語彙が増える・新しい表現に出会える
- 非日常を疑似体験できる
- 映像化作品をより楽しめる
の4つです。
一口に小説と言っても、ライトノベルから純文学まで様々あり、慣れないうちは退屈かもしれません。
しかし、読み続けていくうちに、小説を読むこと自体を楽しめるようにもなるはずです。
ぜひ、小説を読む楽しみを知り、人生をさらに豊かなものにしていきましょう!
小説を読んでみようかなと思った方は、「読みやすい小説8選」の記事へ!
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