小説を読もうという気持ちはあるのに、いざ読み始めてみると全然進まない、という方へ。
小説をなかなか読むことができない理由や、どうすればもっと読むことができるようになるか、についてご説明します。
小説を読む楽しさを知り、人生をさらに豊かにしませんか?
小説を読めない理由

読書の習慣がない
小説に限らずですが、本を読めるかどうかは、読書の習慣があるかどうかによるところが大きいです。
読書の習慣がある人であれば、日常生活を送る中で、当たり前のように本を読みます。しかし、読書の習慣がない人は、ある程度ルーティーン化した生活の中に、読書のための時間を新たに設けなければいけません。
習慣がなければ、本を読み始める前に労力が必要になってしまうということです。
本を開いた時点で多少なり疲れてしまっているのであれば、その後読み進められないのも、おかしな話ではありません。
ある程度前提知識を持っている実用書の場合は(そうでない場合もありますが)、読み始めは知識の確認に終始することも多いため、スムーズに入れることもあります。
が、小説は、世界観の理解や人物関係の把握など、読み始めに最も頭を使います。このことによって、読み始める前に労力を必要とされることは、小説を読む上での大きなハードルとなってしまいます。
初めから堅い小説を頑張っている
「小説を読もう!」と思い立って、いきなり堅いものから読み始めても、おそらく楽しめません。
堅い小説というのは、いわゆる文豪と呼ばれる小説家たちの作品や、村上春樹や村上龍など現代の作家でも、純文学に分類されるような作品のことです。
彼らの作品がつまらないと言う気はもちろんありませんが、少なくとも初心者の方におすすめできる小説ではない、ということは確かです。
いわゆる文豪たちの小説は、そもそも、言葉遣いや時代背景がまるで違います。内容どうこう以前に乗り越えなければいけない壁が存在してしまいます。
見慣れない言葉や、知らない固有名詞が出てきても気にせず読み進めることができる方は問題ありませんが、いちいち気を取られてしまう方は、他の小説に慣れてから挑戦するほうがベターです。
また、純文学に分類されるような作品も、初めのうちはおすすめできません。定義ははっきりしませんが、純文学の作品は、文章表現や情景描写が、初心者にとっては芸術的すぎるものが多いです。
よくわからない話を、なんかカッコいいけど回りくどい表現でつらつらと書いている。そんな気持ちで読み進められるわけがありません。筆者も断念しました。
ディスレクシア
文章を読むことだけが極端に苦手という方は、ディスレクシアという学習障害(正式には局所性学習症)の一種である可能性があります。
ディスレクシアは、会話でのコミュニケーションに問題はなく、知的水準も一般的なレベルにあるにも関わらず、読み書きなど、文字情報の処理には困難を抱えてしまう、という症状を引き起こします。
子どもの頃は特に、やる気がないと捉えられてしまいがちですが、脳の仕組みのため、自分で努力してどうこうという問題ではありません。
身に覚えのある方は、一度ディスレクシアの可能性を考慮してみてください。
小説を読めるようになる方法

小説以外で読書の習慣をまずつける
読書の習慣がなくて小説を読めないという方は、まず小説以外の本で読書を習慣化することを、おすすめします。
小説が読めないからと言って、ほかの本も読めないというわけではありません。
ビジネス書や自己啓発本など、興味のある本にとりあえず手を出してみて、先に読書の習慣を作ってしまいましょう。自伝本のような、ストーリーのあるものも読んでおくと、小説をスムーズに読み始められるかもしれません。
ある程度読書の習慣ができてしまえば、あとは簡単に済みます。
新たに時間を設ける必要がないので、今まで本を読んでいた時間に、小説も読んでみるだけで、きっと読み進められるはずです。
軽い小説から始める
小説をあまり読まない方が、いきなりお堅い作品を読もうとしても、ハードルはかなり高いです。いわゆる純文学ではなく、ミステリーやホラーなどの大衆作品から読み始めてみましょう。
大衆小説であれば、表現もわかりやすく、しっかりとメリハリのついている作品がたくさんあります。
そういったものから小説に慣れていき、興味があれば徐々に純文学と呼ばれるような作品にチャレンジしていくのがおすすめです。
また、敬遠されがちなイメージもありますが、ライトノベルも小説の入りにはぴったりです。大衆小説よりもさらに軽く読むことができ、内容も意外としっかりしています。
抵抗がなければ、ラノベから始めてみるのも良いかもしれません。
診察を受けてみる
これは、先ほどお話したディスレクシアに、思い当たる節がある方に向けてです。
ディスレクシアは、脳の作りに起因することです。
よって、周りになんと言われようと、ご自身の努力だけではどうにもならない部分もかなりあります。
診断を受ければ、もし今悩んでいたとしても、そういうタイプの脳だから、と割り切ることができるようになるかもしれません。また、治療による改善も見込めます。
ディスレクシアかもしれない、とお思いの方は、ぜひ一度、専門医への受診をおすすめします。
まとめ

ここまで、小説を読めない理由と、読むためにはどうしたらよいか、ということについてお話してきました。
小説は、読まなくても十分幸せに生きていけます。
しかし、今後AIがさらに発達していけば、日常生活における趣味の重要性はますます増加していきます。
その際、小説を選択肢として持てるかどうかは、意外と人生に効いてくるかもしれません。
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